!!18歳になっていない人は見ちゃダメ!!
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ぼんやりとした霧のような物が、私を覆い尽くしている。
それは、風もないのに渦を巻くようにして流れて、どこかへ吸い込まれるようにして消えていく。
その薄らいだ前方の景色の中に、ぼんやりと紅い光り。
柵のような物が見えて、そこに誰かが、もたれかかるようにして、遠くを見つめているような気がした。
はっきりと分からない、ただ、その誰かを、私は知っているような気がする。
頭の中がぼーっとしている。
どうしてなのかは分からないけれど、グルグルと頭の中で何かが渦巻いている。
ああ、そう言えば、この光景をどこかで。
……………
・
・
・
「つかさ、起きなさいってっ、つーかーさー!」
ぺちぺちと誰かの手が、私の頬を軽く叩く感触。
ぼんやりとした頭で、必死に重たいまぶたを持ち上げる。
滲んだ天井を見つめながら、べたつく目やを腕で拭おうとする。
しかし、目覚めたばかりだからだろうか、腕をうまく動かすことができず、半袖の袖口でゴシゴシと拭うと、再び天井を見つめる。
「……あ…れ……?」
全身に軽いだるさを感じながら、辺りを見回した。
ここは……私の部屋?
「おーい、起きてるかー?」
再びぺちぺちと頬を叩かれ、まだ醒めきっていない頭で、必死に状況を理解しようとする。
あれ?私は、なんでここにいるんだろう?
ようやく焦点の定まり始めた視界に、お姉ちゃんの顔が映る。
その表情は、私の顔を見つめながら、なかば呆れているみたい。
「……あ、お姉ちゃん…おはよ……」
「…おーい、もう5時半だぞー。しっかりしろー」
え?
私は驚きながら、腰に力を入れてグイと上半身を起こす。
壁にかけられた時計を見ると、本当に5時半を回った辺り。
「……あれ…?学校は……?」
「黒井先生には、私から風邪で休みますって言っといたわよ」
「……え?あれ…?じゃあ……夕ご飯は?」
「おいおい……寝ぼけてないで起きろー」
あれ?そう言えば、お昼ご飯も、まだ食べてないんだっけ……?
自分の口から出た言葉に戸惑いつつも、頭の中に光りが差したように、次第に取り留めもない思考がまとまり始める。
そうだ、落ち着いて整理していこう。
私の記憶では、私は風邪なんて引いていない。
じゃあ、なんで私は学校を休んで、こんな時間までベッドに横になっていたんだろう?
朝、私はいつもより早く目が覚めて……
あっ!
ガバッと身を起こそうと身を起こすが、両腕が誰かに捕まれたみたいに動かせず、そのままベッドにボフッと沈み込んでしまう。
じんわりと両腕に感じる違和感。
一体何が起きたのか分からないまま、何度も両腕を動かそうとする。
何かが、私の手首に巻き付いている……?
そう感じると、ぞっと背筋に寒気が走る。
突然の恐怖を感じ、慌てて自分の両手首に視線を飛ばす。
ベッドの端いっぱいまで持ち上げられた、私の両手首。
赤いタオルのような物が、手首に取り付けられていて、そこから白いロープが、ベッド下へ伸びている。
「……な、なにコレっ……うぅっ…」
グイグイと両腕を引っ張るが、その赤いタオルのような物はびくともしない。
何とかして取り外そうと思っても、両腕が固定されてしまっていては、そこに手を届かせる手だてもなかった。
そ、そうだ、体をひねれば……
そう思いついて、両足を持ち上げようとする。
しかし、両足を動かそうとして、ふと両足首にも違和感を感じ、驚いて視線を足下へ送る。
予感の通りだった。
赤いタオルのような物が、両手首同様に取り付けられていて、そこから白いロープが、ベッドの下へ伸びていた。
な、なんで?
どうして?
「…お、お、お姉ちゃん……」
強い不安を感じて、私はお姉ちゃんの顔を弱々しく見つめる。
その顔には、どこか困ったような、でも、私が見たこともないような不思議な笑顔が浮かんでいる……
「…お、お姉ちゃん……ど…どうして……」
不安は恐怖へ変わり、カタカタと体が震えだしてしまう。
自分の部屋なのに、まるで、自分が知らない別の国にでも来てしまったような。
凄まじい孤独感が心の奥からわき起こり、歯と歯がガチガチとぶつかり合うほど震えてしまう。
「……ほ、ほどいて……お姉ちゃんっ…ほどいて……」
「何言ってんの、つかさがやりたいって言ったんじゃないの」
「……言ってないよ!私……言ってないよっ!」
記憶の隅々まで思い返しても、私は、自分を縛って欲しいなどと言った記憶はない。
両手足を大きくばたつかせて、お姉ちゃんに瞳を見つめて叫ぶ。
ギシッギシッとベッドが大きくきしみ、それにも構わず、背中を布団にドンドンと叩きつけた。
「言ってないよ!言ってないってば!ほどいて!ほどいてよ!」
「覚えてないのかよ……まあ、任せときなさいって。初めてなんだからさ」
そう言いながら、お姉ちゃんの気配が遠のくのを感じる。
ほっとする反面、お姉ちゃんの姿が見えなくなったことへの恐怖がわき起こる。
もしかしたら、あのお姉ちゃんは、私の知らない人なのではないか。
お姉ちゃんの姿はしていても、本当のお姉ちゃんではない、全く別の得体の知れない生き物なのではないか。
非現実的な思いすらも、自分の身の上に起こっている出来事を前にすると、否定できなくなってしまう。
「……うぅ……お姉ちゃん…うぅっ…うぅぅ……」
強い不安が心を握りつぶすように押し寄せて、目から涙が流れそうになる。
怖い、どうしよう……
誰か助けて……
「おーい、かがみー…って、つかさ泣いてるじゃん!?」
突然の聞き慣れた声に、私はハッとして顔を上げる。
こ、こなちゃん!?
私の心に陽の光が差したようだった。
薄どんよりとした鉛のように重たい雲が立ちこめたように、冷たく寂しい心が、じわりじわりと溶け出していく。
「ふぇぇ……こなちゃん…こなちゃんっ!」
安堵感に心がぐらぐらと揺れ、目尻に涙が浮かぶ。
必死になって拘束されている両手足を動かして、体を起こそうとするが、しっかりと縛り付けられた手足に、空しくガクガクと上下に動くばかり。
「なんか、つかさ、覚えてないんだってさ」
お姉ちゃんの言葉に、私は再び顔を上げる。
何を!?
私は一体何を覚えていないの!?
「……まあ、寝言みたいだっしねぇ。まあ、怖いのは仕方ないって。私だって最初は怖かったし」
そう言って、こなちゃんが私の顔をのぞき込む。
いつもの、こなちゃんの笑顔だ……
ほっと胸を撫で下ろすが、私は一体、何を言ったのだろう?
ひどく気になるが、そのことを尋ねようとする私よりも先に、お姉ちゃんが、こなちゃんに声をかける。
「縛られるって、そんなに怖いもんなの?」
「そりゃ怖いよー。特に、かがみの野生の本能に目覚めた眼とかねぇ……」
お姉ちゃんの言葉に、こなちゃんが小さく笑いながら返す。
「ほぉー。私、野生なんだ?」
眉間にしわを寄せて、こなちゃんを睨むお姉ちゃん。
何気ない、いつもと変わらない会話。
私の中で沸き上がっていた不安は、幾分かは和らいだが、大きな疑問だけが残される。
どうして、私は縛られているんだろう?
一体、私は何を言ってしまったのだろう……?
「まあ、つかさは私たちに任せて。ほらほら、肩から力抜いてさ」
こなちゃんが優しくほほ笑みかけてくれる。
目尻に浮かぶ涙が、もみあげの辺りを伝い、首筋へ流れていく。
心がようやく落ち着いてきて、改めて、自分の周囲の状況を1つ1つ確認してみた。
閉じられたカーテンの隙間からは、まだ、夕焼け色にも染まっていない日差しが差し込んでいる。
クーラーが効いた室内は暑くはなかったが、やたらと全身が火照っているように思えた。
ベッドの横になった私の、右隣に、お姉ちゃんと、こなちゃん。
お姉ちゃんは、真っ赤なキャミソールに、白色のキュロット。
こなちゃんは、一度家に帰ってきたのだろうか、黄色い生地のプリントワンピ。
「……わ、私…な、何を…言ったの…?」
かく言う私は、朝のままのパジャマ姿。
すっかりボサボサになっているだろう髪の毛が気になったが、それ以上に気になる疑問を、二人のどちらともなく問いかけてみた。
「つかさくん、つかさくん、君は私たちの行為を覗いていたらしいではないか?」
ニヤニヤと意地悪そうな笑いを浮かべたこなちゃんが、私の問いに答えず、そんなことを言ってくる。
「……な、な、な、な、なんのこと……?」
しまった。
口から出た言葉が必要以上にどもってしまったことに焦りながら、私は弱々しい笑みをこなちゃんに送る。
「うんうん、見ていたんだねぇ。そして、君も参加したいと、そういうワケですかな?」
……巧妙な密室トリックを見破った名探偵のように、こなちゃんは、ウンウンとかぶりを振りながら腕を組む。
な、なんで知ってるの!?
と言うか、私はそこまで思ってはいない……はずなのに……
「そ、そんなこと……」
「言ってたのよ、つかさ。ホントに覚えてないの?」
お姉ちゃんがベッドのシーツの上に手を置いて、私に顔を近づけながら言う。
その顔は、お姉ちゃんだけど……
お姉ちゃんなのに、いつものお姉ちゃんじゃないみたいだった。
その目の奥にある光り……?
それは、目つきでもなく、決して、お姉ちゃんの目の色が変わってしまったわけでもない。
そこから注がれる、ねっとりとした、不思議な雰囲気。
その不思議な雰囲気は、縛り付けられ、自由の利かない私の体を舐め回すようで、熱いものが秘められているようにすら感じられた。
……二人の視線が注がれている。
そのことを意識しだすと、たまらなく恥ずかしくなってくる。
「…うう……ううう……」
もじもじと、その体を丸めて、二人の視線から逃げ出したい。
そう思っても、拘束された体では、それすらも適わない。
「まあ、かがみんや。とりあえず、始めちゃえば大丈夫なんじゃないかねぇ?」
こなちゃんの言葉。
その言葉に、ひどく艶めかしい響きを感じて、こなちゃんの顔を見てしまう。
……普段通りのこなちゃんの顔。
でも……なんだろう?
それは、言葉で言い表すことのできない、独特な雰囲気……
もっと正確に言うとすれば、独特の空気、とでも言えばいいのかもしれない。
そんな、絡みつくような、とても粘っこい空気が、こなちゃんの周りを漂っているみたいに感じた。
「そうね、じゃあ、始めましょうか?」
「な、何を……?」
私には見えない気持ちの疎通があるように、二人は1つだけうなずき合う。
そして、私の方に視線を落としてきた。
な、なに?
「ね、ねぇ?あ、あの……な、何を……?」
私の問いかけに、二人は答えてくれない。
ニヤニヤと、なんだか、とても嫌らしい笑顔を浮かべて、じりじりと近づいてくる。
「ね、ねぇ!?目が怖いよ二人とも!?ねぇ!……ねぇってば!」
ものすごく、ねっとりとした視線。
二人の気配が少しずつ近づいてくる。
まさか……
私の脳裏に浮かぶのは、昨日、私が覗き見た、二人の行為。
朝方、私を狂わせ、身もだえさせた……
「…ひっ…!や、やだ!やだぁぁぁ!!」
ギシッギシッ!
全身全霊を持って両腕を動かすが、両腕に巻き付いている拘束は決して外れそうにない。
「やだぁぁぁ!!……そ、そうだ!お、お父さんとお母さんがいるよ!?お姉ちゃんたちだっているよ!」
そうだ、私が騒げば、きっとみんなが駆けつけてくるに違いない。
普通とは決して言えない行為、それを止めないはずがない。
一点の光明を見たような気がして、私は二人に、あらん限りの身振り手振りで訴えかける。
でも……
「ふっふっふっ、今日はお父さんとお母さんは映画観に行ってるし、『おねぇちゃんたち』は、コンパやバイトなのよねぇ……」
「……そ、そんな…っ!」
こんな時に限って……
絶望的な、お姉ちゃんの言葉に、私の両腕から力が抜ける。
その隙を狙ったかのように、二人の両手が、私の縛り付けられている体へ触れてきた。
「……ひぃっ!」
どくっ、どくっ
嫌がっている言葉とは裏腹に、私の胸が大きく弾んでいる。
胸の奥で、確実に早くなっていく心臓の脈動。
それが、耳の中ではっきりと聞き取れた。
「さあ、覚悟しなさいよ、つかさ……」
お姉ちゃんの言葉を聞きながら、私は強く目をつむり、全身に力を入れて「刺激」が訪れるのを待つことしかできなかった。
「さて、どこから行こうかねぇ?」
こなちゃんの手が、私の肌に触れるか触れないかという、微妙な位置でウロウロしている……
お姉ちゃんは、私の右脇の下のすぐ上で、指をもぞもぞと動かしていた。
二人の指先は触れていないのに、空気の動きだけでも、私の体は反応してしまう。
パジャマの上からでも、はっきりと、その動きが分かる。
「……うううっ……ううっ……」
固く目をつぶり、二人の手の動きを五感のすべてを駆使して、慎重に見守り続ける。
全身の神経をそばだてて、これから襲うであろう刺激に備える。
「…よし、じゃあ行くわよ?」
お姉ちゃんの言葉。
私はもちろん、うなずけるはずもなく、ぐっと目をつぶったまま。
両腕と両足に力を込めて、身を固くする。
「とうっ」
グニッ
突然の脇腹への刺激に、私は大きく体をのけ反らせてしまう。
「ひぃぃッ!」
ぐっと歯を食いしばり、背中にこもった力を抜こうとした次の瞬間。
「うりゃっ!」
こなちゃんの指先が、再び脇腹に突き刺さる。
肋骨の骨と皮膚が擦れ合い、その間に指先の刺激が走る。
「くひぃッ!!」
ギシッギシィッ!
大きくベッドが軋(きし)みを上げ、体が跳ね上がる。
再び背中にこもった力、それを逃がす場所もないまま、ベッドに体が沈み込む。
しかし、一瞬の休みもなく、再び。
「ぐにぐにー」
こなちゃんの声と共に、脇腹に指先が食い込みうごめき始める。
「…ひぃぃっ!…こ、こなちゃッ!!…ひぃっ!こ、こなちゃんっ!」
両腕を下ろそうと必死になって、肩に力を込める。
しかし、しっかりと固定された両手首を下ろすことなどできず、ただ、ベッドがギチギチと軋むばかり。
体を「く」の字に折り曲げることも、脇腹を腕で隠すこともできない。
その状態で、こなちゃんの指が、私の皮膚をグニグニと揉み続けている。
「…ぐひぃっ!?…こ、こなちゃッ…ひぃぃ!!……お願ッ……ひぃぃ!」
私がこなちゃんの意地悪な指先に身もだえている中、お姉ちゃんの指先が、そっと半袖の袖口から入り込んでくるのを感じる。
「お、お姉ちゃんッ!くひィっ!……や、やめてッぇぇっ!…うひゃっ!?」
こなちゃんの脇腹への攻撃の中、私の必死の懇願に、まるで聞く耳を持ってくれないお姉ちゃん。
その指先が、ゆっくりと、本当にゆっくりと、半開きの袖口から、私の脇の下へ近づいていくのが分かった。
……ものすごく、意地悪な顔で、ニヤニヤと笑みを浮かべたお姉ちゃん。
「ほぉら、触っちゃおっかなぁ」
そして、ねっとりとした言葉を口にして、袖の中で指をサワサワと動かし続ける。
「…くはッ!……はひぃぃ!はぅぅっッ!……やめッ…くひッ!…てぇッ!」
脇腹を、こなちゃんの小さな手がグニグニと揉んでいる。
その指先から流し込まれる、ものすごいくすぐったさに、体中がビクッビクッと小刻みに震えてしまう。
たった、これだけの刺激で、こんなにくすぐったいのに……
今朝、私が受けたくすぐり攻撃を思い出し、私は青ざめる思いだった。
あの時は、まだ手足を自由に動かせたけど、今は……
ギシッギシッ……
両腕と両足の自由を奪われ、決して閉じられない脇の下を、コチョコチョされたら、私は多分、おかしくなってしまうかもしれない。
「お姉ちゃん…うひゃっ!こ、こなちゃッ……あはっ!…や、やめてェッ!くぅッ!!」
「つかさ、すっごい敏感だねぇ」
こなちゃんが、そう言いながら指先の動きを、揉むような動きから、ツンツンとつつくような動きに変える。
なんとかお腹へ力を込めて耐えてきた刺激の波。
突然のツンツンとした刺激に、思わずお腹から力が抜けてしまう。
その時、グニュッとこなちゃんの指が、お腹の筋肉と骨の間へ入り込む刺激に、体が大きく跳ね上がった。
「うひぁぁッ!」
体が大きく跳ねたことで、お姉ちゃんの指が、グニッと脇の下の皮膚に潜り込む。
柔らかな肌を捉えた指先は、その感触を楽しむように、グリグリとうごめき、激しい刺激を送り込んでくる。
「はぁぅっっ!?」
脇の下を、お姉ちゃんの指が弾くような指使いで刺激する。
く、くすぐったい!
「…ひぃぃ!!くっ、くすぐっ…!くはぁぁ!……こ、こなちゃんもっ!ひぎぃィッ!?……はひぃッ!」
こなちゃんは相変わらず、脇腹をツンツンとつついて、私に笑いを起こさせようと意地悪い攻撃を続けている。
脇の下を攻撃する、お姉ちゃんの指は、まるで楽器でも奏でるように、脇の下の肉と肉の間で、軽やかに動き続けていた。
「…くひっ!くはぁっ!…あはッ!……ぐひぁっ!…だ、だめぇッ…あひぃっ!だめぇぇ!」
腕を動かせないことが、こんなに辛いことだったなんて。
閉じることが許されない脇の下の中で、コチョコチョと動く細い指先は、敏感な薄い肌を震わせる。
「あぁぁ!!うひゃぁっ!……ううぅぅぅぅぅっ!くはッ!…お願いやめ…ッてッ!」
も、ものすごく、くすぐったい!!
脇の下と脇腹という、私の弱点を同時に責められて、私は全身を震わせて、地獄のような刺激から逃れようとする。
時折、目を開いて見ると、お姉ちゃんは「もぞもぞもぞぉ」と、とっても楽しそうな笑顔で、私に刺激を送り込みつづけている。
こなちゃんは、悪戯っぽい顔をして、脇腹に指先をツンツンと押し当て、その都度震える私の体を、楽しそうに眺めていた。
「あうっ!?…うひゃっ!?…ちょ、ちょ……って、あひぃ!?……おねえちゃィッ!」
「なんだよ、おねえちゃいって」
可笑しそうに笑い、お姉ちゃんが脇の下から手を抜き、私の袖をまくり始める。
二の腕をなぞるような刺激、それだけで、私の体は激しく反応してしまう。
「うひゃぁっ!……そ、袖はッ……くはっ!?…ちょ、こなちゃんっ!」
脇腹をツンツンしていた、こなちゃんの指先。
それが突然、お腹の上をトコトコッと歩くみたいに動き、再び脇腹へ戻ってくる。
そうしている間に、袖をまくり終えていたお姉ちゃんは、私の脇の下へそっと顔を寄せた。
「つかさの脇の下、汗でベトベトね。綺麗にしてあげるわ」
「…お、お姉ちゃん!!」
袖がめくられたため、大きく露出している脇の下へ口を寄せるお姉ちゃん。
髪の毛が私の首筋にかかり、それだけで、くすぐったさが襲ってくる。
それなのに……それなのに……!
ぺろっ
「あひぃぃ!!くはッ!?」
脇の下に、ぬるっとした温かい感触。
柔らかな舌先が、敏感な肌の上を滑る刺激に、ガクガクッと腰が大きく震える。
ぺろっぺろっ
「うひひっ!?お姉ちゃん…!あはははははは!な、舐めないで!うひゃひゃッ!」
想像を超えたくすぐったさ。
それは、私の羞恥心など一瞬で打ち砕いてしまう。
くすぐったい!
くすぐったいよ!!
そんな思いだけが心を埋め尽くしていく。
ぺちゃっぺちゃっぺちゃっ
脇の下から聞こえてくる、お姉ちゃんの舌と肌が触れあう音。
ぬるぬるとした、お姉ちゃんの唾液が脇の下に塗り込まれていく、激しい刺激。
ものすごい恥ずかしさと、ものすごいくすぐったさに、頭がぼんやりとして来てしまう。
「うはははははははッ!あははははははははッ!!あーっはははははははははは!」
どんなにくすぐったくても、どんなに苦しくても、決して腕を閉じることができない。
それを良いことに、お姉ちゃんの舌が脇の下をペロペロし続ける。
「くひひっ!くはははははははっ!あはっ…あはひぃッ!!あはははははははははッ!!」
「す、すごいね……」
こなちゃんは、脇腹をツンツンしながら、私の笑い声にびっくりしているみたい。
でも、そんなことに気を配っている余裕もなく、私は脇の下へ絶え間なく送り込まれる、受け止めがたいほどに大きな笑いの衝動に、大きな笑い声を上げ続ける。
「あはははははははは!…くィィッ!……うははははははははははははッ!!あはははははははははッ!!」
しゃべる事もできない。
しゃべろうにも、笑いが声をかき消してしまう。
お姉ちゃん、本当にやめて!
もう分かったから!
本当に分かったから、もうやめてぇぇ!!
「あははははははははははは!おねぇゲホッゲホッ!ゲホッゲホッ!!」
声を出そうとすれば、空気の塊が喉につかえて咳き込むだけ。
咳のために一気に肺の中の空気を吐き出しながら、笑い声を上げてしまう。
「ゲホッあはははっげほっ…あははははっゲホッゲホッ!うひはははははははははっゲホッゲホッ!!」
乾いた喉に絡みつく笑い、息を整えようにも、笑いの衝動はそれを許してくれない。
脇腹へのこなちゃんが送り込む刺激と、脇の下を這い回るおねえちゃんの舌が、私を苦しめる。
息ができず、ひどくお腹が引きつる。
「あははははははははは!げほっ…くひひひひッ!あははっ…ごほっごほっ…あはははははははッ!!」
くすぐったいよぉ……
苦しい…
息ができない……
くすぐったいって言ってるのに……
脇の下舐めないでッ……
脇腹つつかないでぇぇ!
「あはははははははははははッ!!ごほっ…あははっ!げほっ…くひゃひひっ!うひひっ!うはははは!くへへへッ!げほっ」
ぐちゅっ、ぺちゃっ、ぺちゃっ……
脇の下から相変わらず、お姉ちゃんの舌が脇の下を舐める音が聞こえている。
「くひひひひ……げほっ…あははははははっ…!げほっげほっ…!」
脇の下がぐちょぐちょに濡れている。
その皮膚の上を、執拗に、執拗にお姉ちゃんの舌が這い回る。
くすぐったい……
死んじゃうよ……
息ができないよ……
「あはははははっ…げほっげほっ…くふふふふッ…あひゃひっ!ぎゃひぃぃ!!ぐひひっ…!」
な、なんで止めてくれないのっ!?
なんで……
脇の下舐められたらくすぐったいって分かってるのに……
なんでぇ!?
なんでぇぇ!!
息をすべて吐き出し、肺の奥がジンジンと痛み出しているみたい。
頭の中はぼんやりとして、ただ、脇の下と脇腹から送り込まれる刺激に、全身を悶えさせる。
苦しい……
苦しいよぉ……
苦しいのに……
苦しいのに、楽しい……
「あはははははははははははははッ…げほっ…あひぃぃぃぃ!!あうぅぅ!あはははははっ!あひぐぁぁぃぃぃぃぁぁぁぁ!!!」
切ない…
切ないよ……
脇の下がくすぐったい……
脇腹が……
たすけて……
たすけてぇ……!
「ぎゃひぇひひひひくぁぁぁ!?…くあひぃくはははははははっ……あはははっ!あはははははははは!……ぎぼじいぃぃぃィィィ!!!」
口から涎が流れ出す。
鼻からは鼻水とも、口から回った唾液とも知れない液体が流れ、目からは涙があふれ出す。
でも、そんなことは、もうどうでもいい。
気持ちいい……
気持ちいい……
気持ちいい……!
脇の下へ送り込まれる強烈な、私を笑わせようとする刺激。
脇腹から流れ込んでくる、私を笑わせようとする刺激。
両方とも大好き……
苦しい……
苦しい!!
「あぎヒヒヒヒ……っ!ぎゃはははははははッ!ぎぼずぃぃぃ!!ぎひひひひひひ!!ぐひぃぃ…っ!ぐふふっ!ぐひゃひゃっ!!」
壊れていく…
壊れていく……
壊れる……
気持ちいい……
くすぐったい……
くすぐったい!!
「ぎゃふぃぃぃ……!!あひひっ!ぎゃあうぅぅうあああぅあぁぁ!うああああぁぁぁぁあああぁ!!あぁぁぁあアぁあァぁぁあァ!!!」
目の前が暗くなり、頭の中が真っ白になる。
私の足の付け根で、何かが爆発したように熱くなる。
「ちょ…!!か、かがみ!つ、つかさ、おしっこしちゃったよ!?」
……あああ…あああああああ……あああ……
もういいや……
もういいよ……
もう、大丈夫ー……
脇の下から去ったくすぐったさ。
頭の中で鳴り響く、ゴーゴーという音。
激しい呼吸の中で、喉に乾いた息が何度も貼り付く。
気持ちいい…
気持ちいい……
……もっとやって……
もっとやって……
そう言葉を出そうにも、全身の力が抜け、頭は益々真っ白になって行く。
…あああ……
すごくいい……
すごくいいよ……
ありがとう、こなちゃん……大好き…
お姉ちゃん…ありがとう……
もうこれだけでいいよ……
これだけでいいよ……
深い闇が、すっと、私を覆い尽くしていく……